ピラティスとは
ドイツ人のジョセフピラティス氏によって考案された
「身体の各部分を調整し、鍛えるエクササイズです。
ピラティスでは身体の深層にある小さい筋肉を
意識的に鍛えていくことを目的としています。
大抵のスポーツやエクササイズ法では、
大きな強い筋肉だけに着目し、それらの筋肉が強くなるほど、
小さな弱い筋肉のことを忘れがちですが、
ピラティスでは小さな弱い筋肉を強化し、
同時に大きな筋肉を柔軟にすることで、
しなやかでバランスの取れた美しい身体を作ります。
小さな弱い筋肉がどこにあるのかを知り、
どう動かすかを覚えるためには、かなりの集中力と、
抑制、正確さが必要となります。
よって、ピラティスは「頭を使うエクササイズ」とも呼ばれています。
「肉体を作るのは精神である」(詩人シラーの言葉)
ピラティスの基本原理は集中、呼吸、抑制、
センタリング、なめらかな動き、正確さです。
ピラティスのエクササイズは抑制されており、安全なので、
ダンサーだけでなく、怪我からのリハビリ中の方にも適しています。
また、どんな年齢の方でも行えます。
ピラティスは「自分の身体を知るエクササイズ法」です。
エクササイズをとおして、
正しくからだを動かす事を覚えれば、姿勢が良くなり、
筋肉はより鍛えられ、関節はより柔軟に、
しなやかでバランスの取れた体格になります。
頭を使わない退屈なエクササイズをただ繰り返すのではなく、
弾みを付けず抑制して筋肉を使い、
最小限の運動をすることで、目的がかなうのです。
ピラティスのエクササイズは深層の筋肉に意識を集中させ
抑制しながら行っていくため、
普段からエアロビクスやウエイトトレーニングのような
運動をされている方にとっては、
最初は、分かり難い、物足りないと感じるかもしれません。
ピラティスのエクササイズは全て
セントラルガードル(胴体の筋群)が土台となって行われます。
セントラルガードルとは、具体的には、広背筋、
腰の位置を正しく安定する深部も含めたお腹の筋肉、
そして骨盤を覆う臀部のつながりをさします。
ピラティスのエクササイズは
「息を深く吸って、吐きながら、おへそを背骨に引き寄せるイメージで」と、
おへその動きが必ず最初にきます。
弾力のある、意志の通じる腹筋が、
胴体を安全に支え、正しい姿勢をつくるからです。
そして腹横筋(お腹の深部の筋肉)が強化されると、
天然のコルセットが出来上がり、引き締まったお腹が手に入ります。
また、静かに息を吐き出すことで、
精神的にリラックスでき、動きに集中できます。
バレエとピラティス
バレエを踊るためには身体の中心・軸を
感じる事がとても大切ですが、
ピラティスではその身体の中心のコアの筋肉を
意識的に鍛えることが出来ます。
コアの筋肉を鍛えるエクササイズや、
身体の要である骨盤を安定させて手足を自由に動かす
エクササイズを行うことにより、
コアの筋肉と軸を安定させる感覚を身に付け、
より自由にバレエを踊ることが出来るようになり、
パフォーマンスの向上につながります。